2015.06.11 箸の話

 三度の食事に欠かせないものといえば「箸」ですね。日本の歴史上の登場は古く、古事記の須佐之男命の神話に書かれているものが最初のようです。

 史料によると、そのころの古代の箸は細く削った竹をピンセットのように二つに折り曲げたものだったそうです。時が進んで、平安朝時代には中国の僧侶が持参した金属製の箸が貴族の間で使われていたという記述もあります。

 中国料理では食事のとき、スープはレンゲを使い、その他の料理には箸を使う事が習慣です。
世界中を見渡すと古代より食事に箸を使うのは日本と中国、韓国だけの食文化かと思います。

 中国では近世まで銀の箸と象牙の箸が富者の象徴でした。象徴であると同時に自衛の為でもありました。また、もてなしの席においては、相手に敵意のないことを示す道具でもありました。
 なぜなら、もし料理に毒が入っていると、その料理に触れた銀の箸は黒く変色し、象牙の箸はボロボロに砕けると信じられていたからです。
 
 そんな中国の箸はその長さも特徴の一つで、それは円卓の中央に料理が置かれるため、長いほうが料理をとりやすいからというのがその理由です。

 箸に関連したところで、昔の中国には箸占いがありました。それは女の子の赤ん坊が初めて箸を持った時、その持ち方でその子の将来の結婚相手を占うというものでした。箸の端をにぎった子は、遠い地方出身の者と結ばれ、先の方をつかんだら、近所の少年と結婚するという謂れのものでした。また、箸を落すと何か不運がくるといわれていました。
 
 ちなみに、昔の日本でも食あたりを防ぐ意味で南天の箸が使われていました。

 なお、2015年現在、福新楼では森林保護の観点などより国産間伐材を使った割り箸をお出ししております。
 間伐材で木目がそろっていないため、ささくれやすいという特徴はありますが、漂白などの処理をしていないため、木材そのものの香り、風合いが楽しめる割り箸です。