2015.07.15 海月(くらげ)の話

 中国料理の前菜に欠かせないものにクラゲがあります。クラゲの産地は、中国全海域と朝鮮南部・九州近海に多く、特に中国の温州・舟山産が有名です。

 日本では、江戸時代の記録に、塩クラゲは備前岡山の池田藩から毎年幕府に献納していたとあります。その頃の記録によると、俗に「前」のつく国、肥前(長崎)、筑前(福岡)ものが良質で、その国以外は毒があり食用にならないといわれていました。

 中国料理で食用にするクラゲは笠の直径が二メートル以上もある大型で、その見た目は海中にただようパラシュートのようにみえます。古書には、「さながら月が海中にあるようだから海月と書く」とあります。また、むかし龍宮城で同族を裏切った刑罰として、皮をはがされ、骨をぬかれ、今のようなフワフワになったという伝説もあります。
 
 クラゲの楽しみ方ですが、和漢三才図会に「……其味淡嚼之有聲(その味淡く、噛むと音が鳴る)」とあるようにそれ自体に味はなく、歯ごたえが身上の食材です。
 ですので、お召し上がりの際は、お店毎に異なる味付けと、その歯ごたえを楽しむというのが正解かと思います。
 
 海産物には血圧を下げる効力があります。東洋医学の世界では、クラゲその中でも特に血圧を下げ、痰をきるといわれています。消化もいいので、老人・子供に向く食品でしょう。またカロリーも低いので、美容食にも最適です。

 そんなクラゲですが、福新楼ではレストランのグランドメニューに常時用意しております。あっさりと甘酢ベースの味付けにしておりますので、ご来店の際はぜひ、その食感をお楽しみください。