2016.05.07 キュウリの話

もうすぐ暑い季節になりますね。
今回はそんな初夏に旬を迎える胡瓜の話です。

 胡瓜はインドが原産地で、漢の時代、張(ちょう)賽(けん)という人が西域(ペルシャ)から種を持ちかえり播種したのが中国でのはじめで、わが国へは平安時代に渡来、のちに国内で普及・発達し、中世から盛んに食されるようになりました。

 胡瓜は西域=胡(えびす)から伝わった瓜ということで胡瓜といいます。胡椒(こしょう)・胡桃(くるみ)・胡麻(ごま)など、みな同じ語源です。和名の黄瓜(きうり)は、大きくなると色が黄色くなることから、黄色い瓜、すなわち黄瓜と呼ばれるようになったものです。

 福岡の方は御存知、櫛田神社の夏祭り、山笠のときは、氏子一同、精進潔斉し期間中は黄瓜を一切口にしない風習があります。黄瓜の切り口が櫛田神社の社紋に似ているからです。

同じ意味で京都の人々も祇園祭りの時、食べることを避けています。また、徳川幕府全盛の江戸では、黄瓜の切り口が徳川家の家紋、葵に似ているので一部の武士は食べなかったともいわれています。

 暑い夏、どうしても食欲のなくなりがちな食卓に涼味を添えてくれるのは、瑞々しいキュウリではないでしょうか? 生でよし、炒め、煮込み、スープの浮き身と利用範囲が広い食材です。

 曲がったキュウリは業者が敬遠するので、農家ではキュウリにおもりをつけるなど、苦心してまっすぐ栽培すると聞いたことがあります。これは、調理するのに不便であるためで、味、栄養価ともなんら遜色はありません。
ですが、キュウリには等級があり、等級間の小売値は3~5倍という差がつけられることもあるそうです。曲がったものでも新しいものならどんどん利用する方が経済的だとは思うのですが…。

 キュウリの薬効ですが、血液を浄化し、利尿、腎臓、心臓、脚気の疾患に効があります。また、つるや実からとった汁はヘチマよりも良い化粧水の原料になり、肌荒れを防ぎ、美容に欠かせない食品でもあります。

一昔前は
うりうりが うりうりにきてうりうれず
うりうりかえる うりうりのこえ……
といって、初夏の風物詩でしたが、今では年がら年中店頭にあります。旬を失った食材がここにもあります。

293579_279843338715139_1730074495_n