2017.1.15豚の話その2

前回の投稿から日が空いてしまいました。お待たせしました皆様、すみません。

豚の話その2はエピソード5から始めます。

 

5、ふくれた膀胱

沖縄には、昔、正月を迎える風物に「豚つぶし」というものがありました。各家で育てた豚をつぶし、正月用にお供え、準備します。もちろん屠殺は一家 総出の作業です。子供達は遠巻きに見学します。解体が始まり内臓が取り出されると、膀胱と耳は子供達に与えられます。子供達は焚火で耳を焼き、塩をつけて食べ、膀胱はボールや風船の代用として格好の遊び道具に、時には氷嚢の代わりにもなる優れものでした。

フランス料理には膀胱に鶏を詰め、コニャックと共に容器に入れ、じっくり煮込む高級料理があります。中国には豚の腸に豚の血を入れ蒸したソーセージ状の食材もあります。沖縄の料理は豚に始まり、豚に終わると言われます。頭から足の先まで、内臓も皮も耳も足も血もくまなく食べ、ムダのない完璧な調理法は中国との長い関わりに依るものと思われます。

 

6、処女を決める焼き豚

広東人は、結婚して初夜がすぎ、花嫁が処女だったら早々に花嫁の実家へ豚の丸焼きを届ける習慣がありました。もし豚の丸焼きがこない時は、面子を潰され、侮辱を受けたことになります。そこで事前に両家で話し合い、何匹贈るかを決めてから結婚式を執り行っていました。

たまたま生娘でないと判っている人と親しくなると、友人から「焼き豚代が節約でき、安上がり」とひやかされたとか。

 

7、豚も家族

中国語で「豚」を正しくは「猪」と書き、イノシシは「野猪」と書きます。紀元前に豚のことを「豕」と表し、のちに猪を家畜化し豚にしたためです。

当時、豚は家族の一員として大事に扱われていました。豕にウ冠をつけると「家」という字になっているのは、豕と同居しており、豚舎の上に住居があり、同じ屋根の下に飼われていたためとも言われています。

 

8、トンと無駄がない

豚は、中国では柔らかく煮た皮、あばら骨の肉、足のくるぶし、顔皮も耳まで、腎臓、肝臓、網あぶらから血までくまなく食べ、全く無駄がない食材です。保存時にラードを用い、長もちさせる知恵もああります。

堅い短い「毛」はブラシの原料、「皮」は食料、皮革製品に、「骨、爪」は粉末にして肥料に、「血」は食料、漁具、船の防腐剤にも使われていました。

「面皮」、「脳味噌」も同様に役立ちます。「以脳補脳(脳を以て脳を補う)」の諺に代表されるように、悪いところや補いたいところがあるときはそのパーツを食べると良いという教えがあります。脳を腎、肝に置き換えても大丈夫です。

 

ここまでで8つの豚にまつわるエピソードを紹介しましたがいかがでしたか?
中国料理を召し上がる際の肴になれば幸いです。